受賞作品のご紹介 
   
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<大賞>
受賞者:山陰放送テレビ総局テレビ制作部殿
作品名:『生きることを選んで』



 難病、筋萎縮性側索硬化症(ALS)の闘病を続ける元テレビ報道記者・谷田人司さんは、発症後、歩く、食べる、話す、呼吸…の自由を失いながらも、「自由が失われても生きる意味はある」と考え、何とか動く指を使い、そのことを人々に訴え、実践してきました。

 その谷田さんが単に被写体となるだけでなく、後輩のディレクターに様々に提案し、「生きることの意味」を多角的に探っていく構成が独創的です。

 先輩にカメラを向けて撮り続けたディレクターも、撮り続けることの意味を問われ、自分自身に問い続けた、そんな部分も番組の中に出てきて、深みのある内容になっています。

  すべてに人の手をかりなければならない身になってなお、ジャーナリスト魂を失わない谷田さんの挑戦精神と番組づくりにかかわったみなさまに敬意を表して、「大賞」に選ばせていただきました。
<大賞>
受賞者:下野新聞2025年問題取材班殿
作品名:『終章を生きる 2025年超高齢社会』

 団塊世代が後期高齢者となる2025年。3人に1人が高齢者となり、多死社会を迎えます。不安を抱く県民にこたえ、自らの終章をデザインするために示唆に富む高齢者の生き様を、実名報道を原則としてさまざま角度から描き出しました。

 第一部 「足音」、第二部「わが家で」、第三部「老いの物語り」、第四部 「『食べる』への挑戦」、第五部「支えあうまちへ」で構成され、地域色がにじみ出る、地方紙ならではの生活者の視点を貫いています。

  いまなぜ在宅医療、在宅ケアなのか、医療技術として病院医療と比較しても遜色がない最先端の在宅医療の姿が鮮明に描きだされているだけでなく、社説やシンポジウムの開催、メーリングリストによる読者とのやりとりなどで、立体的に追い続け、栃木県に住む人々から大きな支持を得ました。
<特別賞>
受賞者:『禁煙ジャーナル』編集発行人 渡辺文学殿

 1989年に創刊された月刊紙『禁煙ジャーナル』は、タバコ問題に関する情報を提供するだけでなく、ときに激しく、ときにユーモアを交えて、積極的に提言を行なってきました。

  市民運動として極度の資金難に苦しみながら、1000人以上の医師・教師・弁護士・ジャーナリストなどの読者に支えられて22年間、刊行を続け、タバコと健康の問題の解決に大きな力を発揮されました。そのたゆまぬ努力を讃えさせていただきたいと思います。

<特別賞>
特定非営利活動法人 地域精神保健福祉機構・コンボ
メンタルヘルスマガジン『こころの元気+(plus)』編集スタッフ殿

 精神疾患を体験した人々自身が、堂々と、すばらしい笑顔で毎号の表紙を飾り、従来の、苦労、暗いというイメージを吹き飛ばしているこのような雑誌は国際的にも初めてといわれます。「私モデルになっちゃいました」という動画インタビューがホームページにアップされており、「精神病になったら隠れて暮らす」という従来の常識を打ち破りました。

  精神科医、ソーシャルワーカーなど、専門家といわれている筆者に混じって、この病気を体験した人々が「コンボライター」として、相談にこたえるというスタイルも、新しい時代を切り開くものと期待されます。

 

 
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日本医学ジャーナリスト協会賞について

 2012年に、日本医学ジャーナリスト協会設立25周年を記念し、質の高い医学・医療ジャーナリズムを
日本に根付かせるために創設されました。
  第1回の募集対象期間は、2010年7月から2012年6月末まで、自薦・他薦を問わず、2年の間に
公表された新聞・雑誌・書籍・テレビ・ラジオ・映像、WEB作品などを対象としました。